国家公務員

社会のあらゆる側面に関わり、国を運営していく仕事

政治・行政に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 国を思う情熱のある人
  • 知的好奇心が旺盛な人
  • 慎重に物事を進められる人

1.国家公務員の仕事とは?

国家公務員とは、各省庁などに所属して行政の運営に携わる職員のことです。

国家公務員の仕事は実に様々で、財務省や国土交通省、文部科学省などの中央省庁で働いている人はもちろん、航空管制官や皇室・皇宮の護衛官、刑務官、海上保安庁の職員や自衛隊員なども国家公務員です。どの仕事も、行政サービスの実施と運営という点で共通しています。

厚生労働省を例に見てみましょう。厚生労働省の仕事は、少子高齢化対策や社会福祉事業の運営・改善、雇用保険や労働基準の監督など、法律で担当する範囲が決められています。職員は、その法律及び関連する政策に従って仕事をします。具体的には各自治体への法令の周知徹底にはじまり、実務手順の確立や作業計画の構築・指示、一定期間ごとの確認、検証、修正指示などを行います。また、国土交通省や経済産業省などのように、比較的民間企業と連携することの多い省庁では、民間企業との交渉や調整を行う仕事もあります。

省庁に関連する機関で働く人も多くいます。厚生労働省であれば、企業が労働基準法に則した経営をしているかを監督する労働基準監督署、空港や港湾施設で密貿易や違法取引の取り締まりを行う各地の厚生局などがあります。

このように国家公務員の仕事は社会全体に及んでいます。仕事内容などをよく調べ、希望先を厳選しておきましょう。

2.国家公務員の役割・資質とは?

配属される省庁や担当分野によらず、国家公務員には正確さが要求されます。書類1枚でも誤った情報を記載し、それが公表されてしまえば、それは国の発表として扱われ、信頼に足る公的な情報として認識されてしまいます。仕事の忙しさに惑わされることなく、冷静に、正確に仕事を遂行することが大切です。集中力や慎重さが欠かせません。

また、配属先によっては専門知識を持ったスペシャリストよりも、幅広い知識を持ったゼネラリストが求められます。ジャンルや好き嫌いを問わず好奇心を持ち、知識を貪欲に吸収できる能力も必要です。

国家公務員には、「より良い国、より良い社会にしたい」という理想を持って働くことが期待されています。その理想に向けて、一歩ずつコツコツと積み重ねていける努力家であることも大切な要素でしょう

3.国家公務員になるためには?

国家公務員になるためには、人事院が実施する国家公務員採用試験を受験し、合格しなければなりません。

国家公務員採用試験は、2012年度から新しい制度に移行しています。旧来から最も大きく変わった点は、Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種の分類がなくなり、総合職試験と一般職試験に再編成されたことと、新たに法務や財務、食品衛生などの専門職試験が設けられたことです。

一般職は、高校卒業と大学卒業者以上が対象で、的確な事務処理に関わる能力が問われます。総合職は大学卒業者及び大学院修了者が対象で、政策の企画立案に関する能力が問われます。専門職は特定の行政分野に関する専門知識が必要で、官職ごとに受験資格が変わってきます。

試験は一次試験の合格者が二次試験に進み、二次試験の合格者が希望する省庁を訪問(官庁訪問と呼ばれる)して面接などに臨みます。一般職試験受験者の場合は、二次試験と前後して官庁訪問が許可され、面接などの試験に合格することで国家公務員の職に就くことができます。各職種の詳細な採用要件については事前に確認しておきましょう。

POINT

  • 憲法や法律で定められた範囲 で様々な政策を運営していく
  • 省庁や配属先により仕事内容 が大きく異なる
  • 総合職の場合は試験合格後、希 望省庁を訪問して面接に臨む

関連情報

●国家公務員試験採用情報NAVI(人事院)HP
職員からのメッセージや試験・採用情報などを掲載している

オススメの1冊

『公務員試験 公務員の仕事入門ブック』

(受験ジャーナル編集部編集/実務教育 出版)

国家公務員と地方公務員の仕事の種類 や内容を紹介する年度版のガイドブッ ク。仕事現場のルポも必読の1冊

人事院ではセミナーやワークショップも開催している。大学生になったら積極的に参加してみよう!

INTERVIEW

現役の国家公務員に聞きました

文部科学省研究振興局 戦略官付総括係

春田 鳩麿さん

PROFILE

はるた やすまろ
東京大学 法学部卒業

 親しい仲間と「霞が関OBツアー」を組み、先輩を訪ねたのは高2生の頃でした。「理想に満ち、エネルギッシュに働く先輩に感銘を受けた」と語る春田さん。
 先端的な研究に関するお仕事で忙しい春田さんに、国家公務員の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 私の仕事は、日本国内における医療や創薬をはじめとするライフサイエンス分野の研究開発の推進です。
 文部科学省は、個人の遺伝情報に合わせた医療のオーダーメード化や近年注目を集めている放射線医学や、インフルエンザなどに代表される感染症の予防と効果的な対策などの先端的な研究に対する補助金など、様々な支援を行っています。日本の研究が国際競争力を維持し、発展していくために、研究の進捗を毎年度確認し、期待した成果は出ているか、施策に見直しは必要かといったことなどを議論しています。
 ただし、私たちが持つ知識だけでは、決して十分とはいえません。そのために、各分野に精通した方々にアドバイスを求めたり、検討してもらう場を設けたりするのも重要な仕事です。その中で成果の達成度を比較検討し、次年度にどのような施策を行うべきかを詰めていきます。研究内容によっては、海外との連携が必要なものや、法律・制度の改正が必要な場合もあり、幅広い専門家にアドバイスを求めます。
 このように、国として取り組むべき新たな分野や難しい分野の研究開発をどう進め、その成果をどう社会や人の間に根づかせていくかを考えるのが私たちの役目です。
 その他、省庁外との交渉や連絡業務もあります。例えば、その分野に関心を持つ国会議員からの問い合わせへの対応、厚生労働省や経済産業省といった関連省庁や関連機関との打ち合わせなどです。いずれの場合も、正確さを追究しながら、根気強く仕事に取り組む姿勢が求められます。

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このお仕事の醍醐味は?

 仕事柄、知的好奇心を満たせるのが魅力です。普段から第一線で研究を進める先生方とお話をし、最先端の研究成果に触れられることは知的興奮を得られる仕事だと思います。
 ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生に代表されるように、日本のライフサイエンス研究は世界トップレベルです。私はまだ経験が浅く、ノーベル賞受賞のような場面を体験したことはないのですが、研究者の方々を支援し、その成果を間近で見ることができるのは何事にもかえがたい経験だと思います。私が担当する先生方もやがて新聞のトップ記事を飾るような成果を発表するかと思うと今からワクワクしてきます。

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国家公務員を目指す人にアドバイス

 国家公務員は、1つの分野だけを理解していればよいというものではありません。しかし、社会人として課題に直面して初めて、不足した知識や経験を補わなければならないのが現実です。だからこそ、時間のあるうちに社会の色々な側面を見聞し、体験すること、自分なりの思考を形成し、課題への取り組み方を学ぶことが重要です。
 特に大学時代の講義は、1つの課題を突き詰めて考えるという点で非常に有効です。課題を解決するための情報をきちんと分析し、整理する力を鍛え、そこから論理的に考え、端的にまとめ上げる力を養う努力を惜しまないでください。

ある日の春田さん

  

9:30

出勤。英会話をリスニングしながらニュースをチェック

10:00

1日100 件を超えるメールに対し、上司と相談しながら課内や関係機関へ対応を依頼

12:00

昼食

13:00

政務官と上司との打ち合わせに随行。打ち合わせ中は、必要な資料をすぐに取り出せるように準備

16:00

各所へ依頼していた資料の取りまとめ。内容を確認後、上司と相談しながら発注元に回答

18:00

国会議員からの問い合わせに回答するための資料作成。わかりやすく、ミスのないように細心の注意で臨む。他に当日中の作業がなければ退勤

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