外交官

国と国、国と人とをつなぎ、多面的なコミュニケーションを図る仕事

グローバルな仕事

こんな人に
オススメ!
  • 外国との関係について興味がある人
  • 語学力に自信がある人
  • 論理的に物事を考えるのが好きな人

1.外交官の仕事とは?

外交官とは、自国を代表して世界の平和・安全、自国と外国の関係維持・発展などに取り組む仕事をする人のことです。

最もイメージしやすいのは、各国の大使館に駐在する外交官です。自国を代表して相手国政府の関係者と交渉したり、政治や経済などの情報を収集したり、現地の人々が自国に親しみを持ってもらえるよう広報活動に携わったりします。また、その国に滞在している自国民が安全に行動できるように支援するのも大事な仕事の1つです。

もちろん、外交官の仕事はこれだけではありません。国連・サミット(先進国首脳会議)・G20(財務相・中央銀行総裁会議)といった国際会議の中で具体的な政策を練り、各国と交渉する役割を担います。具体的な資金や技術などで外国を援助するODA(政府開発援助)や環境問題を検討する国際的な枠組みの中での活動や、各種条約や規約など、二国間・多国間で結ばれる決まりごとの条文作成にも外交官は携わっています。

このように、外交官の仕事は多岐にわたっており、仕事を行いながら様々な経験ができることが特徴です。法律・経済・文化・環境・観光など、各部署の人がそれぞれ専門分野を持って仕事を進め、外国との関係を強化すると共に、自国民が海外でも安全かつ合法的に活動できるよう、日々取り組んでいるのです。

2.外交官の役割・資質とは?

まず何よりも外交官は、自国の「顔」として働くのだということをよく知っておいてください。そのため、自国の政治・経済・文化などに関する知識を深めておくことが基本です。また、仕事の相手先として必ず外国があるため、相手国の言語はもちろん、文化・習慣を学ぶことも重要です。担当する仕事によっては、相手国の政治・経済などの状況を把握し、法律に関する知識が求められるケースもあります。仕事内容に合わせて臨機応変に学ぶ力、何に対しても興味が湧き、疑問を持てる旺盛な好奇心が必要な仕事といえるでしょう。また、自国の進む道やあるべき姿を形づくるうえで大きな役割を担う仕事ですから、広い視野や公平な価値観も欠かせません。

さらに、交渉力やプレゼンテーション力を含めた広い意味でのコミュニケーション能力も必要です。特に外国語で交渉を進める場合、細かな意味あいを的確に伝えることは至難の業です。理論的に考え、理性を保って話を進められることが求められます。言語に堪能であるだけでなく、会話を論理的に進められ、相手の立場も考えられることも大切です。

3.外交官になるためには?

外交官になるためには、国家公務員採用試験に合格しなければなりません。この試験では、学歴や志望によって一般職・総合職・専門職と試験の種類が異なります。また、生年による制限もあるので、人事院ホームページや受験案内などで、きちんと情報を集めるとよいでしょう。

外務省だからといって、語学、例えば英語に関して堪能である必要はありません。入省後には海外留学をはじめ、様々な研修の機会を設けていますので、その中で言語や各国の関連知識などを習得することも可能です。また、ロシア語や中国語など、様々な語学の専門家になる場合もあります。必ずしも英語だけを使うわけではないという点を認識しておきましょう。

何よりも大切なのは、自分にとって新しい言語でも率先して学ぼうとする意思、未知の国や地域で働いてみたいという熱意でしょう。

POINT

  • 自国の代表として相手国との様々な交渉や取り決めに関わる
  • 交渉力と言語運用能力が大切
  • 必ずしも英語だけを使うわけではない

関連情報

●国家公務員採用情報(人事院)国家公務員試験についての情報を掲載●小中高生の外務省訪問(外務省)外務省に訪問して、職員に直接質問できるイベントの案内を掲載(予約制)

オススメの1冊

外交専門誌『外交』(奇数月末発行/外務省)注目すべき外交問題・各界著名人・国会議員の執筆・インタビュー記事などで構成される外務省発行の専門誌

外交官の採用当初の初任給は約23万円である(2012年4月現在)

INTERVIEW

現役の外交官に聞きました

外務省 国際法局経済条約課

織田 健太郎さん

PROFILE

おりた けんたろう
アメリカ・ジョージタウン大学大学院修士課程修了

日本の魅力をアピールする機会に恵まれたことから、外交官への道を考え始めたそうです。 国連勤務や中東外交を経験した織田さんに、外交官の仕事についてうかがいました。

1

お仕事の内容は?

 私が今担当しているのは、国と国との間の経済に関する約束(条約)を結ぶための下準備です。条約というと、日米安全保障条約のようなものをイメージしますが、国どうしの約束はいっぱいあります。世界各国とたくさんの細かい決まりごとを結んでいるからこそ、スムーズに海外とモノを輸出入したり、人々の往来があったり、日本企業が海外へ投資したりbr>することができるのです。
 中でも私は経済面での条約を担当しています。企業の海外進出を軸とした案件を日本の法律や相手国の法律、さらには国際法などとも照らし合わせながら作成しています。そのため、経済産業省をはじめとする他の省庁と連携したり、法律の専門家からアドバイスをもらったりすることで仕事を進めています。交渉の際には相手国へ出向いて、関係者と協議を行います。
 条約締結の大前提は、日本も相手国も自分たちの権利や利益を守ることです。しかし、法律や制度は国によって異なります。やりやすいようにと、どちらか一方を優先すると不平等になるばかりか、守られない約束を作りかねません。だからこそ、上手にバランスを取りながら、お互いが納得できる条約、守り通せる条約を作ることが命題です。
 また、条約はすべて関係省庁と内閣法制局がチェックし、多くの場合国会の承認を経たのち相手国の手続を終わらせたうえで初めて効力が発生します。交渉開始から発効まで数年を要することも珍しくありません。

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このお仕事の醍醐味は?

 条約締結を機に人・モノ・お金の交流がさらに促進されるということです。結果として両国がより親密になり、笑顔で話し合える。この仕事は、そんな将来へのさきがけとなるのです。しかし、そこに至るまでは、利害関係が交錯してかなり厳しい状況になることもあります。そんなときでも個人的な感情を抑え、両国のため、日本のためにと、理性的かつ理論的に交渉を進めなければなりません。
 条約の下準備という仕事は一見地味に見えるかもしれませんが、両国間の交流がそこから始まると考えると、友好という歴史の第一歩を作る仕事であることに間違いありません。

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外交官を目指す人にアドバイス

 私は学生時代に約60カ国を放浪して、自分の目と耳、心で色々な体験をしました。今はその体験が役立っています。皆さんも時間のあるうちに、ジャンルを問わず積極的に色々な経験をして、視野や思考を広げておくとよいでしょう。
 また、外国語も大切です。これは語学力ということだけではなく、論理的な思考を養うためにも大切です。外国語で自分の考えや国の立場を正確に伝えるためには、頭の中をシンプルに整理し直すことが必要です。すると、日本語でも言いたいことが明確になり、端的に話の筋道が立てられるようになります。

ある日の織田さん

  

9:30

出張準備の荷物を抱えて出勤

10:00

在外公館からの電報やメールのチェック。時差の影響で、夜間に連絡が入る場合も多い

11:00

経済産業省の担当者と、近々に締結する投資協定に関する打ち合わせ

12:30

昼食

13:30

条約・協定の締結交渉のため の対処方針を作成

15:00

準備をした条約・協定に関する資料について、外務省内の関係部局と協議

17:00

民間企業の責任者や専門の研究者、国際法に詳しい弁護士などの有識者と勉強会。外務省内で行うこともあれば、先方へ出向くこともある

18:30

外交官パスポートを受け取り、締結交渉で東南アジアへ出張するため空港へ

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