気象予報士

膨大な観測データから天候を予測し、わかりやすく公開する仕

自然に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 天気や自然現象に興味がある人
  • 分析力のある人
  • 人に物を伝えるのが好きな人

1.気象予報士の仕事とは?

気象予報士とは、様々な気象観測データをもとに天候を予測し、公開する資格を持った人のことです。

最もなじみ深いのは、テレビやラジオなどで天気予報を行う気象キャスターですが、気象庁や民間の気象会社などに所属して予報を出す人もいます。

気象予報士が天気予報を出す際、参考にするデータには多くの種類があります。ベースとなるのは天気図です。天気図は気象観測衛星や全国の各観測地点から送られてきたデータをもとに、気象庁のスーパーコンピュータによって描かれます。上空数千メートルの高層天気図も大気の様子を立体的に把握するために役立てられます。その他、自動観測機器から送られてくる全国の気温・降水量・風向き・風速・日照時間などのデータや気象観測用カメラに映し出される現地の状況を観察し、参考にして、数時間後から数日間の天候を予測します。最近では、気候や風向きなどの気象条件から予測される花粉の飛散予測や大気中の有害物質による様々な汚染に関する予報も注目を集めています。

2.気象予報士の役割・資質とは?

第一に予報が正確であることが大切です。これは私たちの生活や経済にも大きく影響します。スーパーやデパートなどでは民間の気象会社が出す天気予報を参考に生鮮食品や衣類の仕入れ量・展示方法などを決めており、気温が1℃違うだけで経済効果が大きく変わるといわれます。また、農業や漁業への影響は特に深刻で、農作物の収穫に深く関わるだけでなく、漁業では海が荒れると遭難の恐れにもつながるので、より正確な予報が求められます。

予報を立てるには膨大なデータを扱うため、データの分析力に長け、物事の全体像を見渡すことができ、あらゆる可能性を考えられる能力が必要です。

台風や暴風などによる災害が予想される際には、備えや避難の目安をわかりやすく説明し、世の中に広く注意を促すことも重要です。相手へ正確に情報を伝えられる会話力や、わかりやすい原稿を書ける人であれば、気象キャスターを目指すのもよいでしょう。

3.気象予報士になるためには?

気象予報士は、気象業務法に定められた国家資格ですこの資格を持つことにより、初めて公的に天気予報を発表することができます

受験資格に年齢や学歴は関係なく、すぐにでも挑戦することが可能です。もちろん、就職後の取得も十分可能ですが、気象庁や気象会社といった就職希望先がしっかり決まっているのであれば、学生のうちに資格を取得しておきましょう。

気象学というジャンルは、高校の科目にはありません。最も近いのは地学で、そのあとに物理と化学が続きます。これらを学んでおくと資格取得に役立つでしょう。また、資格試験には実技があり、天気図の読み方・分析力・要点を簡潔にまとめる文章力が問われます。

資格取得を目指す場合は、書店で販売されている資格に関する専門書などを使って独学で学ぶことも可能ですが、通信講座などを利用すると体系的に理解しやすいでしょう。通信講座には色々な種類があるため、資料を取り寄せて自分の生活リズムに合わせやすいものを選びましょう。

資格取得後、民間の気象会社を目指す場合はその会社の就職試験を受けます。気象庁を目指す場合は国家公務員試験を受験します。気象キャスターの場合は、不定期に行われる各番組のオーディションに応募し、合格する必要があります。

POINT

  • 多数のデータを分析して天候を予測・公開する
  • 気象予報は生活の様々な場面と密接に関連する
  • いつでも資格取得を目指せる

関連情報

●気象業務支援センターHP気象予報士試験の試験概要や資料の入手方法、過去の試験問題などを掲載●合格率:4.0%(2013年1月実施分)

オススメの1冊

『気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと』(井田寛子著/成山堂書店)現役気象キャスターが気象予報士へのハウツーをわかりやすく解説。気象の話はもちろん、体験談・豆知識など盛りだくさん

気象予報のみならず、防災の観点からも必要とされる職種が気象予報士である

INTERVIEW

現役の気象予報士に聞きました

NHK「ニュースウオッチ9」 気象キャスター

井田 寛子さん

PROFILE

いだ ひろこ
筑波大学 第一学群自然学類化学専攻卒業

気象予報士の井田さんは、野山を駆け回り、生き物を愛する少女でした。そうした身近な自然や、命を守りたいという気持ちの中で出会ったのが気象予報士の資格。
夜のテレビニュースでおなじみの井田さんに、気象予報士の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 月曜から金曜の夜9時から放送されている『ニュースウオッチ9』の気象コーナーを担当しています。出番はわずか4分半ほどですが、そのために丸1日かけて準備します。
 出勤後、まず雲画像・日本全国の観測データ・お天気カメラなどを見て現況を把握し、気象庁から1日2回送られてくる72時間後までの地上天気図や高層天気図を解析します。そこから予報原稿の構想を組み立てます。そのうえで他の気象予報士と内容をすり合わせ、番組スタッフとの打ち合わせを行って原稿の内容を固めています。
 原稿作成時に最も注意しなければいけないのは、正確であることです。受け取り方によって違う解釈をされるような、あいまいな表現を極力排除してお伝えするために、原稿には非常に気を遣います。もちろん、その間も天候は刻々と変化しています。常に最新の情報に原稿を書き替えながら本番へと臨みます。また、台風などの暴風雨の際に、予想される災害の程度と防災に関するアドバイスをお伝えするのも重要な仕事です。放送で使う映像を選んだり、解説の際のイラスト案を手書きで発注したりもします。
 こうした日々の仕事の他に、季節の映像をカメラに収めるために取材へ出かけることもありますし、“出前授業”と称して、各地の小学校へ出向いてお話をすることもあります。普段の放送では伝えられない天気予報の裏話や気象の面白さなどを伝え、1人でも多くの子どもたちに気象に興味を持ってもらえるように心がけています。

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このお仕事の醍醐味は?

 素直に考えれば、視聴者の方からの反響があったときには、やはり嬉しくなりますね。勉強になった、参考になったという反応を聞いたときには頬がゆるみます。
 災害報道に携わったときには、この仕事の重大さを強く感じます。大雨や暴風など、時々刻々と変化する状況に対し、災害班のスタッフや他の予報士と連携しながら最新情報をお伝えしてゆく。人の命がかかっていますから、非常に難しく試練ともいえる時間ですが、被害が最小限に抑えられたとわかったときには、心の底からホッとすると共に、この仕事を選んでよかったと感じます。

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気象予報士を目指す人にアドバイス

 気象予報士には、理系必須で文系NGといったものはありません。受験資格も学歴や年齢とは無関係です。だからこそ、気象をもっと身近に感じ、観察することが大切です。
 旅行でも食べ物でもファッションでも、「これって天気と関係あるかな?」と考えると、必ず接点が見つかります。秋の青い空にはこの色が似合うとか、暑い夏だったからブドウがおいしく実るとか。身近なところから天気の変化や季節の移ろいに関心を持ちましょう。また、テレビや新聞の天気図を見て、予報と比べると、徐々に天気図を読めるようになっていきます。その積み重ねが試験でも実践でも役立ちますよ。

ある日の井田さん

  

午前

ロケ・取材対応・出前授業など

13:30

気象庁からのデータ解析を開始

14:30

番組担当者とコーナーの構成や使用画面について打ち合わせ

15:30

各番組の気象予報士と当日の天 気予報のポイントのすり合わせ

16:30

キャスターと打ち合わせ。コー ナーで使うイラストを発注

17:00

気象庁の最新データを受け、原 稿を書く。ヘアメイク、着替え など。先輩が原稿をチェック

19:00

VTR試写、原稿やコメントの 修正。完成したイラストの確認

21:40

気象コーナーに出演。番組終 了後に録画を観ながら反省会

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