06-49.南極観測隊員

自然・動植物に関わる仕事がしたい

こんな人に
オススメ!
  • 南極に行ってみたい人
  • 自然科学の進展に貢献したい人
  • 体力と協調性に自信がある人

1.南極観測隊員の仕事とは?

南極大陸の気象や地質・生物を観測するために派遣される調査隊の隊員です。隊員の数はおよそ60名。そのうち約20名が越冬隊で、1年間にわたり南極で観測を続けます。残りの約40名は、夏の間だけ南極にいる夏隊です。

11月に飛行機で南半球のオーストラリアに渡り、先に東京港からオーストラリアへ到着していた南極観測船に乗り込んで南極に向かいます。12~1月には南極圏内の東オングル島に到着し、観測拠点の昭和基地などで任務にあたります。

観測隊員は、観測部門と設営部門に分かれています。観測部門の隊員は気象庁や大学の研究者で、気象観測、オーロラ・宇宙観測、採水・雪氷観測、重力・地震・大陸緯度経度観測、生物・医学観測などを行います。

昭和基地からおよそ千キロ内陸にある「ドームふじ基地」では、深層掘削による氷のサンプル採掘を行っています。氷床を掘削して採取した深層氷から、過去に閉じ込められた大気成分を分析することにより、およそ百万年前のものと推定される大気成分の採取に成功しています。

一方で、設営部門の隊員は、基地の拡張工事・機械設備の修理・隊員の生活維持などを担当しますが、それぞれが建築・機械・電気・医療などの専門家です。また、観測部門の隊員の観測業務のサポートも行います。南極では5~7月が冬です。

南極の吹雪の中での観測や除雪作業は過酷です。冬の間は温度が低すぎて機械が動かなくなるため、建設工事や設備補修などの機械を使う仕事は、12~2月の夏の間に休みなく集中して行います。

南極という過酷な環境では、ほとんどすべての仕事が肉体労働となるため、南極観測隊員には何といっても体力が求められます。また、過酷な環境の中、限られた人数で長期間を共に暮らすため、協調性があることも重要な条件です。

2.南極観測隊員の役割・資質とは?

南極では、他の地域では観測できない大気現象などを観測できます。例えば、1982年には、日本の南極観測隊が世界で初めてオゾン層に穴が空いていることを発見し、地球規模の環境破壊に警鐘を鳴らしました。

南極の氷床は太古から蓄積されたものですから、南極の氷を分析することにより、百万年前までさかのぼって気候変動などを解明することもできます。

また、南極では多数の隕石を発見することができます。南極観測隊の活躍により、日本は世界最大の隕石保有国となり、惑星科学の分野に貴重なデータを提供しています。

このように南極観測隊員は、その観測業務を通じて、多様な分野で科学の進展に貢献しています。南極観測隊員が過酷な環境で任務を遂行できるのも、地球規模の科学の進展に貢献するという使命があるからです。

3.南極観測隊員になるためには?

南極観測隊員の多くは、国立極地研究所をはじめとする政府機関の研究員や職員です。中でも観測部門の隊員のほとんどは、大気科学・海洋学・地質学・生物学・雪氷学などの分野で博士号を取得しているレベルの研究者です。

観測部門の隊員になるためには、これらのような分野で大学院博士課程まで進み、国立極地研究所に研究員として就職するのが近道です。技術系職員として国立極地研究所に就職しても、南極観測の業務に就くことのできる可能性があります。また、観測部門・設営部門共に、公募があり、南極観測隊で活かせる専門分野を持っていれば、大学院生や会社員でも観測隊に参加できます

POINT

  • 観測部門と、設備管理などを行う設営部門がある
  • 隊員の多くは国立極地研究所の研究員と職員
  • 隊員の一般公募もある

関連情報

●国立極地研究所HP南極で行われている観測内容がわかる。「南極観測」のページでは観測隊員の公募情報も掲載している

オススメの1冊

『南極越冬記』(西堀栄三郎著/岩波新書)日本人初の越冬観測を成し遂げた隊長の手記。冒険心みなぎる科学者魂に触発される1冊

南極では満点の星空とオーロラが見られる。女性の隊員も参加している

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