カーデザイナー

パーツ・素材・色にこだわり抜き、新しい車のカタチを生み出す仕事

乗り物に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 車が好きな人
  • デザインに興味がある人
  • 新しいアイディアを思いつくのが得意な人

1.カーデザイナーの仕事とは?

カーデザイナーとは、車の外装から内装・配置・素材・色に至るまでアイディアを出し、開発する新車の全体像を決めていく仕事をしている人のことです。

カーデザイナーの仕事には様々な種類があります。彼らは設計者やエンジニアと共に開発チームに属し、パッケージレイアウト・エクステリア(外装)・インテリア(内装)・カラー/マテリアル(色/素材)・CGや三次元データの制作など、自分の専門分野に特化して、それぞれの工程を担います。

大まかに開発工程を紹介しましょう。まず、市場調査ではどんな車や機能が求められているかを把握します。海外向けの車の制作の際も現地調査を行います。その結果をもとに開発の基礎となるコンセプトを決め、エンジンの位置や居住空間(人が乗る空間)などの骨格を決めます。

スケッチ作業では1台につき何十枚、何百枚というアイディアスケッチを描き、その中から採用するデザインを選びます。実物大の粘土模型の作製では、ドアのつなぎ目など細部まで検討し、デザインを洗練させていきます。インテリアとカラー/マテリアルのデザインも並行して行われます。ここでもアイディアスケッチを描き、実物大のモデルを使って使いやすさ・視界の良さ・触感・カッコ良さなどを追究して開発車両にベストマッチするものを探っていきます。

その後、各担当者が設計者と調整を行い、生産工程で使うデータを作成すると、ようやく製造段階に入ります。

自動車メーカーなどにより微妙な違いこそありますが、自動車開発の要所で、カーデザイナーが自分の得意分野を活かしながら活躍しています。

2.カーデザイナーの役割・資質とは?

第一に発想力、そしてそれを表現するデッサン力が大切です。基本は、コンセプトに沿いつつユニークさ、新しさをデザインに取り入れることが基本ですが、モーターショー向けに既成概念にとらわれない斬新で洗練されたデザインを提案することもあります。軽自動車やスポーツ車など、どんな車を担当する場合でも、次々とアイディアを思いつくための発想力と豊富なアイディアストックは不可欠です。ものづくりが好きな人・創意工夫にあふれた人に向いている仕事です。

もちろん、一方的にアイディアを押しつけるのではありません。ユーザーの声に耳を傾けつつ、「使いやすくするためには?」「この生活スタイルに一番マッチする形や機能は?」と、実際に使うユーザーを意識して考えることや細部へのこだわりが求められます。

3.カーデザイナーになるためには?

カーデザイナーになるためには、美術・工芸・工業デザインなどを専門的に学べる大学か専門学校に進学します。そこでデッサン力の修練を土台に、スケッチ レンダリング・モデリング・CG・カラーリングなど、将来携わりたい分野を専門的に学びます。自動車メーカーは世界中に研究開発拠点を設けています。このことを視野に入れて、近年は海外の専門学校の自動車デザイン学科を目指す人もいます。

海外向けの車の開発期間中は、その国の現地法人で働くスタッフとのやり取りも頻繁にあります。日常会話がスムーズにできる程度の英語力は身につけておきましょう。

就職に関しては、自動車メーカーの採用試験を受けるのが一般的です。カーデザイナーの中には独立・起業している人もいますが、実力も実績も人脈もない状態では成功しません。いずれ独立を考えるにしても、まずはメーカーに就職して経験と実績を積み、技量を磨くことに専念しましょう。

POINT

  • 新しい車のデザインを手がける
  • 発想力と豊富なアイディアストックが必要
  • 自分の専門を見極め、スキルを伸ばしていく

関連情報

日本インダストリアルデザイナー協会 HP

インダストリアルデザイン(工業デザイン)の魅力を伝えるコンテンツが充実

ホンダデザイン(本田技研工業) HP

魅力ある車のデザインがどのようにして生まれるのかを、デザイナーのインタビューなどから解説している

オススメの1冊

『日本発21 世紀デザイン』

(日経デザイン編/日経BP 社)

世界中で売れている様々な日本製品の開発プロセスや取り組みについて解説

ここ数年、自動車業界の開発職は希望者が少なく、就職には“ 狙い目”というメーカーからの声も

INTERVIEW

現役のカーデザイナーに聞きました

本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室 室長

木越 由和さん

PROFILE

きごし よしかず
芸術学部工業デザイン科卒業

 プラモデルや模型などに熱中して子ども時代を過ごした木越さんは、アメリカの現地法人でも開発に携わった生粋のカーデザイナー。
 現在は開発チームをまとめる木越さんに、カーデザイナーの仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

当社の開発は、大きく13の工程に分かれています。市場調査やコンセプトの模索から始まり、パッケージデザイン・アイディアスケッチ・レンダリング・モデル作成・インターフェイス(表示・操作系)デザイン……その工程1つひとつに職人気質の専門家集団が携わり、ときには口論し、ときには笑い合いながら作業を進めています。こうした開発チームが開発車両の数だけあるのですが、私はデザイン室長としてすべてのチームを見渡し、スケジュールや進捗の管理、様々な取引の決済などに携わっています。
 もちろん、それだけではありません。メンバーが困っているとき、悩んでいるときにはアドバイザーの役目も担いますし、交渉役として立ち回るケースもあります。
 もともと私はデザイナーで、以前はせっせと自動車のデザインをしていました。しかしチームリーダーという立場ですべての工程を経験してみると、どうしても、その道のプロに任せなければ不可能な部分があると実感します。原寸大の粘土模型であれば、粘土の削り方1つ、力の入れ方1つで形状が変わってしまいますし、実車製造向けに三次元データを制作する際は、何百とあるパーツを1000分の2ミリ単位の数字で調整しなくてはなりません。まさに職人でなければ不可能です。
 リーダーとなって全工程に携わると、そうした個々の工程に直接手出しはできなくなりますが、開発車両に携わるメンバーの苦労や面白さがわかり、どの車も我が子のようにいとおしく感じることができます。

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このお仕事の醍醐味は?

 自分の生み出したものが世に出ること、それが最初に感じる嬉しさです。1台の車にかかる開発期間は数年にわたるため、その間の苦労が結実する瞬間なのです。
 ただ、本当の嬉しさは、その後数カ月から1年を経て訪れます。街で目の前をスッと走り去る車や何気なく停車している車の中に、ふと自分のデザインした車を見つけたときには、他人の車であるにもかかわらず、ほほ笑みながらしげしげと見つめてしまいます。それは「選んでくれた」という嬉しさを感じる瞬間であり、努力や苦労が報われる瞬間なんです。

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カーデザイナーを目指す人にアドバイス

 発想力とデッサン力。この2つが車をデザインするうえで求められる能力です。まずは芸術学科・工業デザイン学科などを進路の軸としながら、自分がデザインのどの工程を中心に担当したいのか明確にしておくことが重要です。原寸大の粘土模型の作製であれば造形や彫刻を、外装・内装のデザインであればデッサンを、色にこだわりたければカラーリングを学んでください。
 英語力に関しては、海外の現地法人や外国人スタッフとのやり取りが必要になるため、最低でもTOEICR600点以上を目指してください。

ある日のカーデザイナーさん

  

8:30

出社。メール・スケジュール確認

9:00

海外のデザインスタジオとテレビミーティング

11:00

新商品企画の評価会に出席。企画・コンセプトを検討

12:00

昼食

14:00

先行モデルのデザインチェック

15:00

資料作成後、海外のデザインスタジオと電話ミーティング

16:00

量産開発デザインのチェック。各チームからの報告・新商品の企画・デザインをチェック

18:30

デザイナーらと夕食後、帰宅

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