宇宙飛行士

人類の未踏の地である宇宙に飛び立ち、様々なプロジェクトを実行する仕事

宇宙に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 宇宙に興味がある人
  • 物事を慎重に進められる人
  • 広く、深く物事を探究できる人

1.宇宙飛行士の仕事とは?

宇宙飛行士は、有人の宇宙船などで宇宙へ行き、地球周回軌道上の宇宙船や宇宙ステーションなどで様々なプロジェクトに携わる専門職です。

従来、宇宙飛行士は、ほとんどがアメリカのスペースシャトルを利用して宇宙へ行き、任務に従事してきましたが、スペースシャトルの打ち上げが終了した現在では、ロシアのソユーズロケットによる打ち上げ・帰還が中心となります。

打ち上げられたロケットは、上空で宇宙飛行士を乗せた宇宙船部分を切り離します。宇宙船が地球周回軌道へ乗ったら、いよいよ宇宙での作業が始まります。これまでにスペースシャトルで行われた作業の一例には、運用中の人工衛星の修理作業があります。軌道上で目的の人工衛星へ接近し、ロボットアームを操作して人工衛星を捕獲・固定し、修理を行います。宇宙服を着て船外活動を行う場合もあります。

国際宇宙ステーションでは、乗員を乗せた宇宙船がドッキングしてから作業が始まります。国際宇宙ステーションの活動では、おもに微小重力や高真空といった特殊環境を利用した様々な実験や観測を行います。宇宙飛行士は、それらの実験をこなすと共に、宇宙ステーションの船体を含むすべての装置や機器類の修理も行います。

一方、宇宙飛行士にも地上任務があります。非常に厳しい環境である宇宙空間で、いかなるときにも冷静沈着に作業を進められるよう多岐にわたる訓練を受け、宇宙での滞在経験を活かした機器や装置類の開発アドバイス、安全審査などの支援業務にも携わります。

2.宇宙飛行士の役割・資質とは?

宇宙飛行士に求められるものは、多様な分野に対応できる柔軟な対応力です。誰でも得意分野であれば人より上手にできますが、宇宙飛行士の場合は不得手な分野でも与えられた時間内で安全かつ完璧に作業をこなし、成果を出さなければなりません。すべてにおいてエキスパートであると共に、高いレベルでのゼネラリストである必要があります。苦手な分野にも取り組み、マスターしていこうとする意欲のある人、たゆまぬ向上心のある人に向いています。

また、慎重さと根気強さを持つことも大切です。宇宙では危険な状態になってもすぐに逃げられるわけではありません。常に「大丈夫か」「これでいいのか」と自問自答を繰り返しながら、根気強く解決していくことが求められます。

3.宇宙飛行士になるためには?

宇宙飛行士になるためには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の採用に応募することになりますが、新卒の就職試験のように定期的に募集しているわけではありません。限られた採用のチャンスを逃さないため、ホームページや新聞広告などをこまめにチェックしてください。

応募資格は、4年制大学卒業以上で理学部・工学部などの自然科学系学部で学んでいることが条件です。また、その分野において研究や開発、設計など3年以上の実務経験が必要となります。まずはその分野の企業へ就職して実務経験を積み、エキスパートになることが重要です。

過去の選抜試験では、書類審査と英語試験、医学検査や教養・専門・心理適性の筆記試験、面接や泳力試験などが行われています。合格した場合はJAXAへ入社し、日本やアメリカで数年間にわたる訓練を経て、初めて宇宙へ向かう搭乗アサイン(ミッション要員の任命)を獲得できます。その後、該当ミッションに関する徹底的な打ち合わせや訓練が終了すると、いよいよ宇宙飛行となります。

POINT

  • 宇宙という特殊環境を利用した業務を行う
  • 自然科学系学部の卒業と実務経験を積んでいることが条件

関連情報

宇宙航空研究開発機構(JAXA) HP

日本で運営されている宇宙機関。日本人宇宙飛行士の活動報告や各研究成果などの情報が満載

オススメの1冊

『はやぶさを育んだ50年――宇宙に挑んだ人々の物語』

(的川泰宣著・宇宙航空研究開発機構編/日経印刷)

大きな感動を呼んだ「はやぶさ」を生んだ日本の宇宙開発の歴史を、豊富な写真と共に紹介

宇宙飛行士には「得意を伸ばす」よりも「苦手を克服する」力が問われる

INTERVIEW

現役の宇宙飛行士に聞きました

宇宙航空研究開発機構(JAXA)

大西 卓哉さん

PROFILE

おおにし たくや
東京大学 工学部航空宇宙工学科卒業

宇宙が舞台の映画に感動し、宇宙への夢を広げた大西さん。社会人になってから偶然見つけた宇宙飛行士の募集広告が、夢をかなえる第一歩となりました。
アメリカで訓練に励む大西さんに、宇宙飛行士の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 現在私は、アメリカ・テキサス州のヒューストンに滞在し、来るべき宇宙飛行へ向けてNASAやロシアで訓練を続けています。国際宇宙ステーションの修理・保守点検を行うための船外活動訓練、複座式(2人乗り)のジェット飛行機での操縦訓練、機器の操作やロボットアームの操作訓練などと共に、様々なシミュレーション訓練にも取り組んでいます。
 中でも特に厳しさを感じたのは、サバイバル訓練です。地球への帰還時にトラブルが発生し、予定外の場所へ着陸してしまったという想定で、救援が来るまでの間、どうやって生き延びるかという内容です。人が生活していない環境で、数日間にわたって行われるため、慣れるまでが非常につらかったです。
 また、いったん宇宙空間に出ると、たとえ専門外の分野でも分刻みのスケジュールで多くの実験をこなしていかなければなりません。あらゆる実験機器を繰り返し操作することで、精通していくことも大切な任務です。
 大規模な訓練に関しては運営側からスケジュールを指定されますが、それ以外の時間帯については個人でカリキュラムを組みます。私の場合、より高度なコミュニケーションができるように英語の習得やロシアの宇宙船ソユーズでの打ち上げを想定したロシア語の習得、体力の向上・維持のためのトレーニングなど、個人で積極的に取り組んでいます。

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このお仕事の醍醐味は?

 子どもの頃に宇宙が舞台の映画を観て、宇宙に魅せられてしまいました。それ以来、ずっと夢見てきた宇宙飛行士という立場に、今いるわけです。厳しい訓練ばかりで宇宙への扉がなかなか開かないと焦りを感じたこともあります。でも、それだけ宇宙は厳しく、ちょっとしたミスでも命に関わる場所なのです。将来の宇宙飛行へ向けて、今はスキルと精度を極限まで高めておくことが、私の任務だと思っています。
 宇宙は、きっと想像をはるかに超えたすばらしい体験を私たちに与えてくれるでしょう。本当の醍醐味は、まだまだ先にあるのだと思います。

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宇宙飛行士を目指す人にアドバイス

 宇宙飛行士の訓練は非常に特殊で、普段できるようなトレーニングではありません。いきなり宇宙へ意識を向けるのではなく、宇宙飛行士の資格を得るための努力が先決です。
 必要なことは、まず健康な体を作ることです。栄養バランスを考えた食事と基礎体力を向上させるための運動を日々積み重ねましょう。次に、英語力です。本格的な訓練はアメリカで行われます。専門用語も頻繁に飛び交い、聞き取りづらい無線での会話もあります。それらを瞬時に、スムーズに受け答えできるレベルを最終的には目指してください。

ある日の大西さん

  

8:00

NASAへ出勤。宇宙飛行士室でミーティング

9:00

配属部署でのミーティング。訓練計画などの変更点や詳細を確認

10:00

シミュレーターで、ロボットアームの操作訓練

13:00

ロシアからの打ち上げと帰還を想定してロシア語のトレーニング

15:00

英語のトレーニング

16:00

スポーツジムでトレーニング

18:00

メールチェックや訓練の復習、JAXA事務所との打ち合わせなど

21:00

翌日の訓練の準備。終了後、就寝

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