12-13.能師・狂言師

個性や特技を活かした仕事がしたい

こんな人に
オススメ!
  • 伝統芸能の世界を極めたい人
  • 厳しい修業を積み重ねられる人
  • 能や狂言の世界を愛する人

1.能師・狂言師の仕事とは?

能と狂言は、およそ600年の歴史を誇る日本の伝統芸能です。その演者が能師と狂言師で、総称して能楽師とも呼ばれます

能では荘厳な舞(まい)と独特な言い回しの謡(うた)いによって悲恋などを題材にした舞を静かに行います。狂言は能の演目の間に行われ、能とは対照的に民話を題材にした軽快な台詞(せりふ) 回しと身振りで笑いを誘う演目です。最近では、それぞれ単独に公演が行われることもあります。

能の場合は主役の「シテ方」、わき役の「ワキ方」、伴奏などを担当する「囃子(はやし)方」、狂言を演じる場合は「狂言方」とそれぞれの役目があり技能を積んでいきます。シテ方やワキ方はそれぞれの能の台本である謡や、基本の所作である仕し 舞まいを重点的に稽古していきます。囃子方はそれぞれが担当する笛や小鼓や太鼓、狂言師は能師の台本と動作にあたる小謡と小舞を稽古していきます。

全国にある能楽堂の公演や、薪能(たきぎ)と呼ばれる夜間に野外で行われる公演で芸を披露します。また、稽古場で愛好家の人に教室を開いている能楽師もいます。地域や教育の場で、日本の伝統芸能を伝えていくのも大事な仕事の1つです。

2.能師・狂言師の役割・資質とは?

何よりも、能や狂言を愛する心が求められます。基本的にプロの能楽師は世襲制で、幼い頃から厳しい稽古を積み、舞台へと上がります。それ以外の一般の人が能楽師の道を進むのは狭き門です。ひたむきに稽古を積み重ね、能や狂言の世界で一生をかけて技能を磨き続ける気概が必要です。

能や狂言に限らず、歌舞伎や日本舞踊など他の日本の伝統芸能や、バレエやオペラなども含めて舞台芸術に幅広く興味を持ち、自分の中に常に新しい風を吹き込むことも、能楽師を長く続けるために大切なものとなるでしょう。

能や狂言の世界では、原則として「申し合わせ」というリハーサルが1回あるだけです。そのために、シテ方やワキ方がどう謡いたいのか、囃子方がどう囃したいのかを瞬時に判断して舞台を作り上げていきます。言葉ではなく、舞台での舞や囃子の音色や調子で会話する高度なコミュニケーション能力が必要になります。

3.能師・狂言師になるためには?

能楽師は、それぞれの役割ごとに世襲で芸を受け継ぐので、能楽師の家の出身でなければ弟子入りをして、技能の研鑽を積んでいきます。流派ごとに細かな演目の違いがあるので、事前によく検討し、門を叩くことが望まれます。年齢制限はなく、中には40歳を過ぎた人が弟子入りしたケースもあります。弟子として稽古を積み、師匠から「玄人(くろうと)と 」と呼ばれる段階になると、能楽協会に入会が許され、プロの能楽師と認められます

また、日本芸術文化振興会が行っている養成事業を利用して、能楽の道に入る人もいます。中学校卒業以上23歳までの人に受験資格がありますが、定期の募集はありません。さらに、この養成事業は、ワキ方・囃子方・狂言方の養成のみなので、シテ方を志望する人は、やはり能楽師に弟子入りする必要があります。養成事業の研修期間は6年間で、その後に能楽協会に入会することで能楽師になれます。

このようなプロの養成事業を利用する他にも、大学などの能・狂言サークルやカルチャーセンター、能楽師の自身の教室で学ぶのも、きっかけの1つとなるでしょう。なお、舞台に使われる面や装束・楽器などの道具類はすばらしい文化財です。美術品の観点から興味を持つのもよいでしょう。

POINT

  • 舞や囃子で能や狂言の独特な世界を作り上げる
  • 能楽師の家以外の人は、限られた人しか叩けない狭き門

関連情報

能楽協会 HP

公演情報だけでなく、能楽が学べる稽古場の紹介、稽古内容などを掲載

オススメの1冊

『能楽入門〈1〉初めての能・狂言』

(三浦裕子文、山崎有一郎監修、横浜能楽堂企画/小学館)

基礎知識の他に、泣く、怒るなど舞型表現の写真解説、実演中の舞台と楽屋裏の同時中継、野外能・地方能の魅力、初心者向けの作品紹介、用語解説などを収録

学生を対象に、全国で能や狂言の体験教室を実施している。舞の型や能楽の楽器の演奏体験ができる

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