12-50.考古学者

個性や特技を活かした仕事がしたい

こんな人に
オススメ!
  • 遺跡や出土品に強い関心がある人
  • 研究を長期に積み重ねられる人
  • 好奇心旺盛な人

1.考古学者の仕事とは?

発掘調査による出土品などを手がかりに研究を進め、おもに古代の生活を現代に浮かび上がらせる仕事です。

発掘調査員が発掘の現場に直接携わるのに対して、考古学者は調査の指揮と出土品の鑑定や研究がメインです。日本では土器や石器などの調査のイメージが強いですが、城や屋敷跡などの建造物や近代の駅舎などの発掘調査も研究分野に含まれます。

出土品や遺跡の型式の変化、周辺地域の出土品や遺跡との比較、前後する年代との出土品の比較で当時の生活の変化を専門知識や年代測定技術を駆使してたどっていきます。また、文様や文字、素材や製作方法など細部にわたる研究も進めていきます。このように過去に存在した社会像や文化像を明らかにしていくという研究を広く社会に伝えるために、学会や学術雑誌に成果を発表することも重要な仕事です。

2.考古学者の役割・資質とは?

考古学者にとって何より大切なのは、遺跡や出土品に対する探究心を持続することです。

科学研究などと同じように、長期にわたる事実関係の積み重ねが必要な仕事になります。地道にコツコツと研究を続けていくことのできる人が向いているでしょう。また、記録保存の観点から事務処理能力も求められます。現地調査においては研究対象になる国の歴史や文化に対する深い知識を持つことや語学力も重要となります

さらに、現代の考古学では、他の学問分野との関わり合いがさらに深まっています。特に関係の深い学問分野としては、自然科学の諸分野(物理学・化学・動物学・植物学・地質学・土壌学・建築学・数学・統計学・認知科学など)や社会科学の諸分野(社会学・地理学など)が挙げられます。また、ITの急速な発達によって膨大な調査データの蓄積と解析も行われるようになり、情報科学の側面からも新しいアプローチが考えられます。

今後の考古学を担う人は、学問分野を横断した、幅広く柔軟な視点を持つことが重要となっていくでしょう。

3.考古学者になるためには?

考古学への道を目指す場合は、考古学を学べる大学の研究室で学び、学会で認められる研究者になることが一般的です。考古学と一口にいっても、専門の地域や年代は多岐にわたり、それぞれの研究室や師事する先生によって専門分野は分かれます。大学の研究室を志望する場合は、自分の興味のある分野の研究者を探し出すことも重要です。研究者のアシスタントや現地調査に同行しながらキャリアを積み上げ、自分の研究テーマを探し取り組みます

他にも各自治体の教育委員会の発掘調査部門、財団や行政法人が運営する考古学の研究機関や博物館などの就職がありますが、一方で研究機関に所属せずに、独自に調査と研究を進める人もいます。

発掘調査のアルバイトに参加することは、現場を実感する1つの方法です。発掘作業の他にも遺構の図面作成や測量の補助などが体験できます。考古学関連の展示がある博物館や博物展にこまめに足を運ぶのもよいでしょう。考古学者のトークイベントなども行われています。まずは、どのような方法でもいいので考古学の現場で実感をつかむことが第一歩になるでしょう。

古代と現代とのかけ橋となる職業です。地道な研究の継続ですが、過去との対話に胸躍る経験も多いでしょう。

POINT

  • 発掘調査により古代の生活を研究する
  • 学会や学術誌での実績が必要
  • 職業として学者を続けられる人はごくわずか

関連情報

日本考古学協会 HP

考古学研究者で構成される全国規模の団体。機関誌の発行、各地の考古学研究の成果やセミナーの情報が入手できる

オススメの1冊

『考古学入門』

(鈴木公雄著/東京大学出版会)

考古学とはどんな学問なのか、調査・研究の過程をわかりやすく解説。社会の中での考古学の位置づけもわかる入門に最適な1冊

遺跡や出土品の年代測定の技術には、炭素の存在比率を基準とした測定法が用いられている

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