消防官

日夜訓練を積み重ね、火災などの際は消火や人命救助をする仕事

治安に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • どんな状況でも冷静でいられる人
  • チームプレーを実践できる人
  • 物理・数学・化学が好きな人

1.消防官の仕事とは?

消防官とは、火事の際に火を消し、人命救助を行うと共に、災害が起こらないよう防災活動に努める仕事です。

消防官の仕事は、それぞれにきちんと役割分担が決まっています。例えば、消防車両を運転し、現場に水を送る人、送られてきた水を使って放水する人、はしご車で消火活動をする人、隊員の指揮を執る人など、各消防官が自分の役割の中で最大・最善の努力を尽くします。これは、火災現場というギリギリの状況下で人の命を助けつつ自分たちの命を守るために不可欠なシステムなのです。

火災現場へ出場する消防官は、普段から万全の態勢で待機しています。消防車両の点検はもちろん、空気呼吸器・救助ロープ・エンジンカッター・手斧・防火服・ヘルメット・ライトなどの資材や器材・装備品をすべてチェックし、いつ緊急事態が発生してもすぐに出動できるよう、完全な状態にメンテナンスをしています。また、消火訓練や救助訓練も行い、どんな現場でもあわてず活動できるように態勢を整えています。

他にも、防火・防災を啓蒙する仕事、ビルやマンションなどの消防設備を検査する仕事、火災の原因を調査する仕事、署内で現場の隊員をバックアップする仕事などがあります。

2.消防官の役割・資質とは?

現場でも署での待機中でも、十数名で構成されたチームが活動の単位になります。 24時間勤務では寝食を共にするため、まずは協調性や気遣いが求められます。現場の緊迫した空気の中で「よこせ!」と先輩が差し出した手に何を渡せばよいのか、今は何を優先すべきなのか。そういった思慮・配慮ができることが求められます。観察力や洞察力のすぐれた人、あるいはスポーツなどを通してチームプレーが身体にしみついている人に向いているでしょう。

注意しなければいけないのは、過度な使命感やヒロイズム(英雄主義)です。火災現場では、ちょっとした判断ミスが自分の命だけでなく、要救助者の命、さらにはチームメイトの命の危険へとつながります。常に冷静でいられる人、客観的で的確な状況判断ができる人、相手をフォローするのが上手な人に向いています。

3.消防官になるためには?

消防官になるためには、各自治体(東京都は東京消防庁)が主催する消防官採用試験を受験します。

東京消防庁の場合、採用試験には生年別にⅠ類からⅢ類までと電気・化学などの専門系があり、それぞれ試験日程が違います。また、採用試験は二次まであり、一次試験は一般教養に関する筆記試験・論(作)文試験・適性検査、二次試験では身体・体力検査や個人面接が行われます。試験の詳細は、各消防署で配布している採用試験案内や各自治体のホームページで確認できます。

採用試験に合格したあとは、消防学校へ入学します。消防学校では約6カ月かけて、消防官として必要な知識と技術を学びます。具体的には、消火活動訓練をはじめとして、防火・防災に必要な基礎的な法令、資材や器材の取扱法、救急法などを学びます。座学だけでなく、実践に則した訓練も多々あります。その後は各消防署へ配属され、先輩消防官と共に現場へ出場しながら消防官の実務を学びます。半年後、再び消防学校へ戻って卒業式を迎えてから、正式配属となります。

消防官には、チームワークや体力のみならず、実際の現場で役立つ物理・数学・化学の知識が求められます。高校生のうちから幅広い分野を学んでおきましょう。

POINT

  • 火災現場において、明確な役 割分担でチームプレーに徹し て消火活動と人命救助を行う
  • 消防官採用試験に合格し、消 防学校で知識と技術を学ぶ

関連情報

東京消防庁採用案内 HP

東京都を管轄する東京消防庁への就職 を目指す人向けに、採用情報や過去の結 果を公開。インターネット上で受験申込 もできる。

オススメの1冊

『消防署の秘密がズバリ!わかる本』

(謎 解きゼミナール編/河出書房新社)

消火で使った水道料は誰が払う? など 消防に関する素朴な疑問にわかりやす く答えてくれる

採用試験は各自治体によって日程 が違うので、受験のチャンスがたく さんある

INTERVIEW

現役の消防官に聞きました

東京消防庁 目黒消防署 消防副士長

徳間 康裕さん

PROFILE

とくま やすひろ
早稲田大学 商学部卒業

少年の頃から野球を続け、チームプレーの本質と頑強な肉体を身につけた徳間さん。その経験とスキルが人助けに役立つのならばと思い、消防官という仕事を選んだそうです。
防災や救助に真剣に取り組む徳間さんに、消防官の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

同じ消防署員とチームを組み、現場へ出場して消火活動や人命救助を行うのがおもな仕事です。
東京消防庁では3交替制でチームを編成し、24時間態勢で対応にあたっています。チーム内では、はしご車やポンプ車などに担当分けがなされており、出場の際にはそれぞれのメンバーが担当している役割を果たすことになります。
私ははしご車の担当です。出火報(火災発生を知らせる出場指令)と共に、隊長と機関員(消防車両を動かす担当者)と私の3人ではしご車へ乗り込み、現場へと向かいます。現場では、まず要救助者の有無を調べ、要救助者がいる場合は人命救助を最優先で行います。いない場合は消火活動に集中します。
人命救助の点でいえば特別救助隊、いわゆるレスキュー隊がそのエキスパートであり、他の隊と連携しながら延焼建物に入り、逃げ遅れた人を救助します。
災害対応以外は、車両や装備の点検、消火訓練、救助訓練、さらには個人的な体力づくりなどをして過ごします。もちろん、出場すればそれに関する報告書の作成といった事務作業も発生します。また、消防法にもとづいた建物への立ち入り検査を行ったり、都民への防災指導を行ったりします。
2012年、私は特別救助技術研修を修了し、レスキュー隊員の資格を取得しました。今後はレスキュー隊員としても頑張っていこうと思っています。

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このお仕事の醍醐味は?

「誰かの役に立てる」ということです。しかしその一方で、過酷な部分もたくさんあります。それでも頑張っていけるのは、皆さんの笑顔を見ているからです。
例えば、消防署を訪れた子どもが消防車や訓練風景を見て大喜びする。お父さんお母さんは、喜ぶ子どもを見て幸せそうにほほ笑む。あるいは、消防車で走っていると子どもたちが手を振ってくれる。まさに、自分はこういう人たちの笑顔を守っているんだと実感することができます。あの笑顔をまた見たいから、これからよりいっそう頑張ろうと思えるのです。

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消防官を目指す人にアドバイス

体力勝負だけに思える消防官ですが、実はそうでもありません。ロープや滑車を使う救助活動ならば物理、消火活動の放水量や放水圧の計算には数学、可燃物が発するガスの危険性なら化学というように、現場では専門的な知識が頻繁に要求されます。当然、採用試験でも出題されますから、これらの科目の底上げを行うことが大切です。そのうえで、基礎体力の向上を心がけましょう。
また、採用試験では、時事的な社会問題も出題されます。普段から新聞などに目を通し、その出来事について自分なりの見解を持っておくとよいでしょう。

ある日の徳間さん

  

7:30

出勤

8:30

交替。前任の当務員から任務を引き継ぐ。車両や資器材の点検や訓練、事務処理を行う

13:00

消防活動訓練。はしごなどの資器材を使い、実戦さながらの訓練を行う。訓練終了後は体力づくり

18:30

点検

19:00

ミーティング後、事務の処理

22:00

仮眠。仮眠中も出場に備えている

6:00

起床・庁舎清掃・朝食

8:30

交替。後任の当務員へ任務を申し送りし、帰宅

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